エデュアルド・チャドウィックの父、アルフォンソ・チャドウィック・エラスリスは、ブドウ畑への情熱を持つ一方、卓越したポロ・プレイヤーでもありました。そして、彼が愛したポロ用のグラウンドに、現在は、彼の名を冠するワインを造るためのブドウが植えられているのは、彼の偉業を讃えるにふさわしいことです。
ドン・アルフォンソは、1930年代初頭にチリで初のワイン仲買会社を設立し、1942年には、アルト・マイポ・ヴァレーにブドウ畑を含む300ヘクタールの敷地を持つ、ヴィーニャ・サン・ホセ・デ・トコルナルを購入しました。この当時すでに、この地区で栽培されるブドウは傑出した品質であると認められていました。後にこの農場が分割された際に、チャドウィック家は自邸と主要な25ヘクタールの敷地を保持しましたが、そこにはドン・アルフォンソのポロ競技場も含まれていました。
アルフォンソ・チャドウィックは、彼が生きた時代の指導者の一人であり、特にチリワイン産業の近代化に貢献しました。
祖先ドン・マキシミアーノ・エラスリスにより1870年にアコンカグア・ヴァレーに創設されたヴィーニャ・エラスリスの経営を、彼が1983年から担うようになり、息子のエデュアルドに、そのワイナリーがかつて誇った栄光を回復するのを手伝ってくれるよう依頼しました。
ワインへの情熱に加え、アルフォンソ・チャドウィックは、チリの歴史上最高のポロ・プレイヤーの一人でもありました。彼は長年、チリのナショナル・チームのキャプテンとして、19のオープン選手権で優勝を遂げ、ギネス記録にあと1勝と迫りました。彼のポロへの情熱は、マイポ・ヴァレーにある自邸の敷地内に、ポロ競技場を造るほど強いものでした。
1993年にアルフォンソ・チャドウィックが亡くなった後、彼の息子エデュアルドがヴィーニャ・エラスリスの経営を引き継ぎ、父の偉大な業績とワインへの情熱、傑出した品質の探求を継続しています。
アルフォンソ・チャドウィックは、起業家であるとともに、才能あるポロ・プレイヤーでもあり、キャプテンとしてチームを率いて、何度もチリの選手権大会で優勝を遂げました。(写真1940)
オックスフォードのジョン・チャドウィック卿(1756)の子孫、トーマス・チャドウィックは、鉱山業に大きなチャンスがあることを知り、1820年にチリのラ・セレナに移り住みました。これがチリのチャドウィック家の興りとなりました。
詳細はこちらヴィーニャ・エラスリスの創設者、マキシミアーノ・エラスリスが、一族の持つワインへの情熱と伝統の礎を築きました。
アレハンドロ・チャドウィックと、ドン・マキシミアーノ・エラスリスの大姪、レオノール・エラスリスの間にアルフォンソ・チャドウィックが誕生しました。
ドン・アルフォンソのポロ選手としてのキャリアが始まりました。彼の情熱の対象は2つあり、それはワインとポロでした。彼はチリで最高のポロ・プレイヤーの一人であり、ワイン産業の近代化におけるリーダーでもありました。
ドン・アルフォンソは、以前からチリで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの産地であると認められていたマイポ・ヴァレーのプエンテ・アルト地区に土地を購入し、自邸とポロ競技場を建設しました。
ドン・アルフォンソはパトリシア・クラーロと結婚し、ワインへの情熱は彼等の子供たちに引き継がれました。
アルフォンソは、ワイナリーを大きく発展させた後、69歳で引退し、息子のエデュアルドに一族に伝わるワイン造りの伝統を継続する使命を委ねました。
ポロ競技場の敷地が持っている偉大なテロワールに気付いていたアルフォンソは、ポロから引退した後、息子のエデュアルドが、そこをブドウ畑に変換することを許可しました。ドン・アルフォンソは1993年に他界したため、その畑からできたワインを見ることはありませんでした。
ヴィニェド・チャドウィックは、チャドウィック家の系譜と伝統を映し出す卓越したワインを造ることで、故ドン・アルフォンソ・チャドウィック・エラスリスの思い出に敬意を表したいという、家族の長年の夢を現しています。
「スグリとかすかなフレッシュ・ハーブを感じる、引き締まっていて構成のしっかりした赤ワイン。フル・ボディな味わい、きめ細かなタンニンとクリーンで新鮮なフィニッシュ。熟成した質の良いナパ・ヴァレーのカベルネを思わせる。」
「この洗練された赤ワインは、張りつめたミネラルとローム質、カシス、熱い石の香りがあり、同時にしっかり引き締まっている。これにトーストやバニラ、タールのフレーバーが加わって、底辺のラインを支え、フィニッシュにはパワーとバランスがある。今すでに印象的だが、もうしばらくセラーに置いて、伸びやかにさせる必要がある。カベルネ・ソーヴィニヨンにカルメネール4%。」
「チョコレートとプラム、ヘーゼルナッツを感じる、まろやかで深い味わいを持つ赤ワイン。かすかなバラの花びらとタバコもある。フル・ボディで、まろやかでソフトなタンニンがある。魅力的な口当たり。」
「マイポ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンらしいスタイルだが、2001年のヴィニェド・チャドウィックは、私が今までに試飲したエラスリスのワインの中で、飛び抜けて偉大なワインだ。複雑なアロマの要素は、道路に敷かれたばかりのタールやスパイス、チョコレート、リコリスと甘いブラックベリーを感じさせる。ミディアムからフル・ボディの肉厚な味わいで、傑出したエレガンスと緻密さ、複雑味がある。良く熟れた濃い色の果実が盛り合わされた上にスパイスが散りばめられた個性が、きめ細かく、柔らかなタンニンに満ちた、長い余韻まで続いていく。」
「発電所のように力に満ち溢れたワインで、それを取り囲むラズベリー・ガナッシュ、黒スグリやココアのフレーバーに、鉄でコーティングされたタンニンと重厚なローム質的特徴がなだれ込み、長く噛み応えのある余韻に続いていく。セラー熟成向きのカベルネ・ソーヴィニヨン。」
「カベルネのパワーが、巨大な褐色のタワーとなっているようなワインで、色の濃いスグリ、ローム質、コーヒーのフレーバーが力強いが密度があり、良く溶け合っている。そして、果実味が余韻にかけて開花し、より一層深みを増している。印象的な余韻の長さがあり、焦点も定まっている。」
「非常に磨かれた、洗練されたワインで、きめ細かいタンニンが、このワインにスタイルとフィネスを与えている。ミディアムからフル・ボディの味わいは、重厚だがコンパクトにまとまっている。味わいの中央には、素晴らしい果実味が核を成している。長い余韻。今飲んでも待っても良い。」
「凝縮しているが抑制が効いていて、スグリ、イチジクのペースト、コーヒー、セージ、ビター・スイートのココアとタバコが、口中に留まるというより、滑らかに進んでいく。長く、暗く、ワイン的な味わいのある余韻。」
「ブラック・オリーブと黒いフルーツにバルサミコのアロマ。フル・ボディで、引き締まった味わいと噛み応えのあるタンニンが、かすかに未熟なタンニンであることを示している。味わい豊かな赤ワイン。」
「2004年のヴィニェド・チャドウィックは、似たスタイルで造られた2003年よりも頑強なワインだ。より色が濃く、フレーバーの深みがあり、構成ももっとしっかりしている。ブラインド・テイスティングをしたら、ポイヤックの格付けワインを楽に凌ぐだろう。私が1月にチリに行った時に、ヴィニェド・チャドウィックで2000年(92点)、2001年(90点)、2002年(93点)も試飲に供された。この生産者は明らかに、強固な地盤を築いている。」
「チリのアイコン・ワインの一つ、ヴィニェド・チャドウィックは、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインで、フレンチ・オークの新樽で18ヵ月熟成している。2005年のヴィニェド・チャドウィックは、パン・グリエ、ミネラル、スパイス・ボックス、なめし革、黒スグリとブラックベリーの見事なブーケが楽しめる。豊かなフレーバーが層を成す味わいはエレガントで、このワインには、10年以上熟成を続けるに十分なタンニンが美しく包み込まれている。しかし実際には、このワインが持つ偉大なバランスと素晴らしい凝縮度、みずみずしさのおかげで、今でも美味しく飲める。最良の飲み頃は2015年から2030年だろう。」
「深い深紅の色調を持つ2006年のヴィニェド・チャドウィックは、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインで、フレンチ・オークの新樽で18ヵ月熟成している。偉大なヴィンテージ(1961、1966、1970が浮かぶ)のシャトー・パルメを思わせる、香ばしいオーク、焦げた土、お香、スパイス・ボックス、黒スグリとブラックベリーの精妙なブーケ。味わいはシルクのように滑らかでエレガント。凝縮していて、すでに複雑性がある。この素晴らしい深みのある、引き締まった、みずみずしく滑らかなワインは、少なくともあと10年から15年は進化を続ける。最良の飲み頃は2010年から2046年だろう。」
「最初の印象は、バラの花びらと茎、湿った土、ブラックベリー。フル・ボディで超エレガントなワイン。フレッシュで鮮やか、かつ重厚でリッチ。刺激的で甘酸っぱいフィニッシュ。」
「特にこのヴィンテージは、ビッグで重厚なワインとなり、ローム質、溶けた黒いリコリス、漬け込んだスグリが印象的な核を成し、熟れて良く融合したタンニンが支えている。長く磨かれたフィニッシュには、果実味とミネラリティが滴る。」
「すごい。黒スグリに微かなミントとラべンダーが加わったアロマ。フル・ボディで、溶けた素晴らしいタンニンがワインに流れ込む。複雑で美しい。」
「マイポの典型的な特徴である、色の濃いローム質、コーヒー、黒スグリを感じる。杉っぽさがあるが磨かれたタンニンと、長く包み込むようなフィニッシュに、かすかなセージやタバコが現れている。溶け込んだ酸があり、非常にかっちりとしている。」
「フラッグシップ・ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のヴィニェド・チャドウィック2007年。ガラス・コーティングされた暗い紫色。白檀、鉛筆の芯、焦げた土、スミレ、エキゾチックなスパイス、黒スグリとブラックベリーの包み込むようなブーケ。フル・ボディで、重厚な味わいを持つ、この豊潤なワインは多次元的フレーバーが層を成し、熟れたタンニンがたっぷりあり、全ての要素が調和している。この余韻の長いワインは、30歳の誕生日を元気に迎えるだろう。エデュアルド・チャドウィックは、このワインをボルドーの偉大なワインと競わせるブラインド・テイスティングの旅に出た。彼の自信はもっともなものだと認められた。」
「とてもよく熟れた赤い果物にハーブのニュアンスが加わった赤ワイン。バラの花びらとラべンダーも感じる。フル・ボディで、まろやかでビロードのような骨格。濃い色をしたフルーツと花、凝縮感。カベルネ・ソーヴィニヨン97%にメルロが少し。驚く程わくわくするワインだ。」
「ヴィニェド・チャドウィック2008年は、カベルネ・ソーヴィニヨン97%とメルロ3%の構成。エキゾチック・スパイスや白檀、お香、バラの花びら、黒スグリを感じるセクシーな香り。これに続いて、構成のしっかりした、凝縮感と申し分ないバランスを持つ、エレガンスとパワーが強く結びついたワインが現れる。あと5~6年はセラー熟成が必要で、最良の飲み頃は2016年から2028年以降だろう。」
「熟れたフルーツ、プラム、紅茶の葉のアロマ。やや暑かった年。フル・ボディ。まろやかでビロードのようなタンニンと味わい深く豊かな余韻。果実味が主体の味わい。あと2~3年の熟成が必要だが、今でも美味しい。」
「ヴィニェド・チャドウィック2009年は、フランス産オーク樽(新樽93%)で22ヵ月熟成している。マルゴーに触発された素晴らしいフローラルのブーケに、見事な叙述性と生命力がある。丸みを帯びて穏やかな味わいに、きめ細かなタンニンがあり、卓越した表現力が余韻まで続く。エデュアルド・チャドウィックほど、チリワインの推進に多くを成し遂げた人はいない。私が思うに、このワイナリーは今後の20年間で、今までの20年間をはるかに超えるワインを生み出すだろう。今から2015年が飲み頃。」
「プラムとダーク・ベリーの個性とチョコレートのニュアンスがある、レースのように繊細なカベルネ・ソーヴィニヨン。フル・ボディで、引き締まったタンニンと新鮮なフィニッシュ。余韻にはチェリーとたっぷりのヘーゼルナッツの特徴がある。」
「2010年のヴィニェド・チャドウィックは、純粋なダーク・チェリー、ヨード、ブルーベリーのアロマがある洗練されたブーケがグラスから優しく漂う。味わいはスムーズで、最初に香ばしさがある。樽の影響が大きいが、それを支える果実味があり、フィニッシュは印象的な定義と構成を示している。飲み頃は2015年から2025年。」
「スグリ、ブルーベリー、熱い石に、ミントとセージがかろやかに香る、魅惑的なワイン。フル・ボディで、引き締まったシルクのようなタンニンは、素晴らしく磨かれている。ワインメーカー(フランシスコ・ベッティグ)が言うには、よりフレッシュで直線的なスタイルを追求しているという。長期熟成するように造られているが、今飲んでも美味しい。ナパ・ヴァレーの偉大で熟成したボーリュー・ヴィンヤードのワインのようだ。2018年が飲み頃だろう。」
「香りは複雑性を示していて、新鮮だが熟れた赤いフルーツ、黒コショウのようなバルサムの香りがあり、折り重なる香ばしくスモーキーなコーヒーの香りは融合する必要があるが、2011年のような涼しいヴィンテージに青っぽい香りが無いのは特筆すべきだ。タンニンは非常にきめ細かく、シルキーで、ビロードのよう。フレーバーは純粋でスタイルがあり、偉大な凝縮度とバランスの良い酸。このカベルネ・ソーヴィニヨン100%とは思えないワインは、テロワールのワインに近づいている。偉大なワインで、畑が成熟していくに連れて、今後ますます良くなっていくだろう。ブドウ品種のブレンドによっても複雑性が増していく。飲み頃は2016年から2025年。」
「スグリ、白トリュフ、白檀や石を感じる素晴らしい赤ワイン。フル・ボディで、嚙み応えのあるタンニンと力強いフィニッシュ。ヨード香が出てくる。小石やかすかなリコリスの香りもある。とても、とても長い味わい。これはチリのラ・ミッション・オー・ブリオンだと断言する。驚異的なカベルネ・ソーヴィニヨンのワイン。柔らかくなるのに少なくとも5年かかる。生産量は800ケース。2018年まで待つべき。」
「この畑の土壌は、粘土の混ざった沖積質で、このブドウ品種に理想的だ。2012年は、良い酸ときめ細かいタンニン、良い構成を持ち、落ち着きと調和のある、クラシックでエレガントになっている。品質を保ちながらもみずみずしく、まるで深い土壌がこのヴィンテージの暑さを吸い込んでくれたかのようで、このコンビはうまくいっている。パワフルな、オールド・ワールド・スタイルのカベルネ・ソーヴィニヨン。飲み頃は2016年から2025年。」
「この混じりけ無しのカベルネ・ソーヴィニヨンのワインは、穏やかなユーカリと黒スグリの素晴らしい特徴を呈している。冷たい石とバラも感じる。フル・ボディで、引き締まっていて、直線的。目の詰まったタンニンと軽い噛み応えのある、刺激的なフィニッシュ。はっきりした形と強さを持った赤ワイン。2020年に飲んでみるべき。」
「赤いチェリーの香りと、より古典的なブラックベリーやタバコの葉、スパイス、シガー・ボックスのアロマが混ざり合っている。とても若いワインに見えるが、とても穏やかで、幾重にも折り重なった複雑な香りがある。このワインは、より新鮮で、中程度のアルコール度数を持ち、オーク樽は殆ど新樽だが良く溶け込んでいる。このヴィンテージの特徴が、より新鮮でバランスのとれたワインを得るのに適していたようだ。カベルネだと分かるタンニンが、とても洗練されていてきめ細かく、引き締まっている。ビロードのような口当たりが、細かく連なる酸によって向上している。」
「これは、エレガンスとパワーを同時に定義づけるワインだ。ブルーベリー、黒スグリ、黒いリコリスの複雑なアロマがある。フルボディだが洗練されていて、優美であり、驚くべき余韻の長さと複雑性を持っている。この偉大さと美を示す透明感がある。通常の生産量の半分だった年。エネルギーと鮮やかさがある。チリで初の満点のワインで、その評価に値する。2020年にはもっと良くなる。」
「最初に感じるとても深みのある果実の特徴が、この赤ワインに驚くほど長く引き締まった味わいを与えている。その味わいは永遠に続くかのようだ。フルボディだが生き生きとしていてエネルギーに満ちている。タンニンが豊富で筋肉質であると同時に、とても洗練された気品あるフィニッシュ。今飲み頃だが、セラーにも1本入れて置くべき。」
「温暖で乾燥したヴィンテージが、非常に健全なブドウをもたらし、史上最も早く収穫された。私がこのワインについて知る限り、最もエレガントで洗練されたヴィンテージ。素晴らしく洗練されたタンニンがあり、ドライでとてもクリーンだが、ミントっぽさは全くない。とても長く緊張感のある味わいで、余韻には石灰質を感じる、ほとんど塩気のような美味しさがある。杉の木、黒コショウ、タバコなどの古典的な香りも勿論あるが、とても穏やか。とびきりエレガントなワイン。」
「青い果実とダークベリーのアロマがとても魅力的で心を奪われる。黒いリコリスとブラックベリーの香り。フルボディで噛み応えがあるが洗練されたタンニン。このワインが舌の上を転がる感じがいい。素晴らしいフィニッシュ。未だかつてない程に骨格のしっかりしたヴィニェド・チャドウィックだ。偉大なワイン。まろやかになるのに、4~5年かかるだろう。」
「ヴィニェド・チャドウィック2016年の価格は最高レベルに達しているが、品質も同様である。ここれはユニークで、古典的なマイポのカベルネであり、他のワインと分けてマーケティングされ、ボルドーのネゴシアン・ルートで販売されている(…)。かなりの新鮮さと酸がある。これは、新鮮さと調和を持った2015年に始まった変化を踏襲している。2016年は涼しい年で、結果として、ブドウはゆっくりと完璧な熟度に達した。今すでにとてもエレガントなワイン。複雑で、幾重にも層を成し、新鮮で美味しい。とてもきめ細かなタンニンがあり、構成がしっかりしているが、同時にものすごくエレガントなワインでもある。」
「純粋な果実とジューシーなタンニンが、とてもみずみずしく魅力的だ。フル・ボディで柔らかく、シルキーなタンニン。完全なワインで、全てがあるべきところにある。熟れた果実と噛み応えのある酸が、エネルギーとバランスを与えている。素晴らしい余韻がある。緻密で、きめ細かい口当たりを持ったワインだ。」
「2019年ヴィンテージのヴィニェド・チャドウィックは、美しく魅力的なルビーレッドの色調に紫の煌めき があります。複雑な香りにはチェリーやラズベリーのアロマがあり、全てがクローヴやナツメグのような甘 いスパイスの繊細な香りに縁取られていて、そこにペストリーや黒い果実、フローラルなタッチも感じられ ます。味わいには、チェリー、ラズベリー・パイ、甘いスパイスがあり、何層にも重なる繊細な香りは穏や かさに満ちていて、非常に長い余韻をともなう洗練されたタンニンがあります。比類無いエレガンスとフィ ネス、フレッシュさを持つ、卓越したヴィンテージのヴィニェド・チャドウィックであり、素晴らしい長期 熟成能力を持つワインです。」
深い香りだが緻密でニュアンスもあり、高級なシガーボックス、新鮮な赤いベリーとスグリ、炭、グリルした肉やオリーブの香り。繊細なココア豆とミントもある。超繊細な洗練されたワインで、カベルネとしてはやや直線的だが非常に緻密な味わい。緻密で抑制が効いた、上品で長い味わいの最後に、かすかなクレーム・ド・カシスが感じられる。カベルネ・ソーヴィニヨン100%。今飲んでも、待っても良い。
ヴィニェド・チャドウィックは、チャドウィック家に代々受け継がれる卓越したワインへの情熱と伝統を反映する、ウルトラ・プレミアム赤ワインを造ることで、故ドン・アルフォンソ・チャドウィック・エラスリスに敬意を表したいという、家族の長年の夢を形にしたものです。このために、マイポ・ヴァレーが最高のレベルで表現された、新鮮さと純粋さを持つ、エレガントなワインが造られました。ドン・アルフォンソが生前にこのワインを見ることはありませんでしたが、彼の思い出はヴィニェド・チャドウィックのワイン1本1本と共にあります。
ヴィニェド・チャドウィックのファースト・ヴィンテージ(1999年)は、2002年にリリースされ、大成功を収めました。セカンド・ヴィンテージの2000年は、後に2004年1月23日のベルリン・テイスティングで、歴史的快挙をもたらすことになります。
ヴィニェド・チャドウィックは、ファースト・ヴィンテージ以来、現在まで一貫して最高の評価と称賛を受けてきました。ロバート・パーカーから5年連続で、チリ最高のカベルネ・ソーヴィニヨンに選ばれたことも、その一つです。
2014年ヴィンテージは、この家族経営のワイナリーにとってのみならず、チリワインにとっても歴史的記念碑となりました。ヴィニェド・チャドウィック2014年は、チリワインで初の100点満点獲得を獲得し、世界最高の評価を得たのです。
ブドウ畑はいくつかの区画に分けられ、別々にモニターされ、収穫されます。ブドウの品質を維持するため、収穫は朝の涼しいうちに行われます。ブドウはロット毎に柔らかい圧力で圧搾され、特徴を最大限に活かすため、別々に28~31℃で発酵させます。各ロットの進行状況により、発酵後も最長で30日まで醸しを続けます。
その後、ワインはフランス産オーク樽に入れられ、地下セラーで熟成します。畑のロット毎に別々に熟成することで、ブレンドのオプションを最大に保っています。熟成期間中に、樽から樽へ、4~5回澱引きを行います。
ブレンドの決定は、熟成が終わる頃、瓶詰の直前に行われます。その目的は、それぞれのロットのワインが、樽の中での熟成により、独自の特徴を最大限に現してから、最終的なブレンドを決定することができる余地を残しておくためです。このようにして、私達は毎年、最終的なワインの品質と個性をコントロールしています。
1942年に、ドン・アルフォンソ・チャドウィックは、アルト・マイポ・ヴァレーにブドウ畑を含む300ヘクタールの敷地を持つ、ヴィーニャ・サン・ホセ・デ・トコルナルを購入しました。後にこの農場が分割された際に、チャドウィック家は自邸と25ヘクタールの敷地を保持し、そこにはドン・アルフォンソのポロ競技場も含まれていました。
この土地が持つユニークなテロワールを見抜いていたエデュアルド・チャドウィックは、父のアルフォンソを説得し、彼が愛するポロの競技場をブドウ畑に切り替える承諾を得ました。そして1992年に、そこにカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられました。
このブドウ畑の樹の間隔は2m、畝間は1.2mで、植密度は1へクタール当たり4,166本です。ブドウ樹は垣根仕立ての短梢剪定で栽培されています。朝の涼しいそよ風が山脈から吹き降ろし、畝の向きと穏やかな日中の気温により、ブドウは果実の凝縮度と酸を保ちながら、完璧に熟していきます。
ヴィニェド・チャドウィックは、サステイナブル農法で栽培されています。秋と春に下草を植えることで、ブドウの樹勢をコントロールし、また、選択された植物の多い自然環境を整えることで、害虫の発生を防ぎます。この農法の一環として、冬の間に堆肥を積み重ねて造り、ブドウ畑に自然な肥料を与えます。
生育期間中に観察したブドウの樹勢によって、畑を区画に分け、別々にモニターしていきます。これらの区画毎に栽培の手法や収穫のタイミングを最適化することにより、ブドウはむらなく、最高に熟した状態で収穫されます。収量は1へクタール当たり3~4トンに保たれます。
独自の高度な技術によるドリップ・イリゲーション・システムを用いることで、畑の区画毎に異なったパターンの灌漑を施すことができ、樹勢を綿密にコントロールすることができます。
それぞれの区画のブドウは、別々に、異なったタイミングで収穫します。1本の畝であっても、2つから3つのセクションに分けて収穫することもあります。全て手作業で収穫し、選別により最高の状態のブドウだけを使います。
ヴィニェド・チャドウィックは、サンティアゴの東南部で、アンデス山脈の麓のマイポ川北岸にある、マイポ・ヴァレー、プエンテ・アルト地区にあり、標高は650mです。この15ヘクタールの畑は、チリで最も傑出した品質のカベルネ・ソーヴィニヨンを産み出す畑の一つとされています。
地中海性気候のために、長く乾燥したブドウ生育期に恵まれ、雨(328㎜)は冬季に集中すると共に、昼夜の気温差が大きいことが、この地域のワインが濃い色調を持つ要因となっています。1月の平均気温は21℃で、過去の平均積算温度は1,579度日です。
この畑は、サンティアゴの東南部でアンデス山脈の麓のマイポ川北岸にある、マイポ・ヴァレー、プエンテ・アルト地区にあります。
畑の標高は650mで、マイポ川の古い沖積台地の上でブドウが栽培されています。この土壌は比較的肥沃で、石を70%含むため非常に水捌けの良い沖積質の層の上に、深さ40㎝の粘土ローム質(粘土の比率は15~20%)の表土があります。
この畑は、サンティアゴの東南部でアンデス山脈の麓のマイポ川北岸にある、マイポ・ヴァレー、プエンテ・アルト地区にあります。
畑の標高は650mで、マイポ川の古い沖積台地の上でブドウが栽培されています。この土壌は比較的肥沃で、石を70%含むため非常に水捌けの良い沖積質の層の上に、深さ40㎝の粘土ローム質(粘土の比率は15~20%)の表土があります。
2016年5月13日に、ヴィニェド・チャドウィック2014年は、国際的ワイン評論家、ジェームズ・サックリングから100点満点を与えられました。
この国のワインが初めて、100点満点という卓越した評価を得たことは、ヴィニェド・チャドウィックにとってだけでなく、チリワイン全体にとっても歴史的記念碑となりました。これにより、チリとマイポ・ヴァレーは、ボルドー、トスカーナ、ナパのような、世界で最もプレステージの高い赤ワイン産地の仲間入りを果たしました。
国際的ワイン評論家、ジェームズ・サックリングは、最近チリを訪れた際に、各地区のワイン600以上を試飲した結果、「チリの発展する高品質ワインの世界」と題する記事を書き、その中でヴィニェド・チャドウィック2014年に100点を与えました:「多分、チリが本当に大人になったことを示すサインは、純粋なカベルネのワイン、ヴィニェド・チャドウィック2014年が、このレポートの中で100点満点を獲得したことだろう。これはチリの偉大さとは何かを示す純粋さ、構成、フィネスを持ったワインで、世界最高峰の赤ワインに匹敵する。これは、エレガンスとパワーを同時に定義づけるワインでもある。」
サックリングはこのワインを以下のように表現しています。「ブルーベリー、黒スグリ、黒いリコリスの複雑なアロマ。フル・ボディだが洗練されていて、優美であり、驚くべき余韻の長さと複雑性を持っている。その偉大さと美を示す透明感がある。通常の生産量の半分だった年。エネルギーと鮮やかさがある。チリで初の100点満点のワインで、その評価に値する。2020年にはもっと良い状態になるだろう。」
高品質ワインを造ることへの情熱的使命感、忍耐、そしてテロワールを純粋に表現しようとする、たゆみない努力が生み出したヴィニェド・チャドウィックの華々しい歴史の中でも、特に今回の100点満点の評価は、このワインを世界的高品質ワインとして、さらに重要な地位へと押し上げました。
それぞれのヴィンテージは、ユニークな気候条件を持っていますが、2014年は傑出したワインを生み出して、私達を驚かせました。
この年のブドウ生育期は、9月中旬に前例の無い霜害から始まり、これにより収量が低くなり、問題の多い春になることが予想されましたが、10月に気温が徐々に上がると、状況が大きく変化しました。
夏は温暖で乾燥した1月から始まり、均一で早いヴェレゾンと共に健全なブドウが得られました。気温の大きな変化は2月から起こり、4月中はずっと気温の低い状態が続いたため、ブドウは理想的な熟度に達するまでゆっくりと成熟し続けることができました。この結果、傑出したアロマとフレーバーの凝縮度に加え、偉大なタンニンの構成と深みを持ったワインが得られました。
低い収量と全般的に乾燥した気候条件、そして、私達が常に追求しているエレガンスとフレッシュさ、純粋さを得るために、早くに収穫を行うことになりました。カベルネ・ソーヴィニョンのいくつかの区画は、3月18日という、過去の平均より15日も早い収穫となりました。これにより、このワインを特徴づけるフレーバーと共に、素晴らしい酸のレベルを維持することができました。
2014年は、ユニークなバランス、果実の純粋性と深みに秀でた、ヴィニェド・チャドウィックにおける傑出したヴィンテージとして記憶されるでしょう。
「このヴィンテージは、この地のテロワールの純粋性と新鮮さの縮図だといえるでしょう。今までに造られたヴィニェド・チャドウィックの中で、最も豊かな表現力を持ったワインだと確信しています。これまで誠心誠意でワイン造りに励んできたことに対して、最も素晴らしい評価を与えられました。」
「エデュアルド・チャドウィックは、このワインをボルドーの偉大なワインと競わせるブラインド・テイスティングの旅に出た。彼の自信はもっともなものだと認められた。」
「ヴィニェド・チャドウィック2009年は、マルゴーに触発された素晴らしいフローラルのブーケに、見事な叙述性と生命力がある。丸みを帯びて穏やかな味わいに、きめ細かなタンニンがあり、卓越した表現力が余韻まで続く。エデュアルド・チャドウィックほど、チリワインの推進に多くを成し遂げた人はいない。私が思うに、このワイナリーは今後の20年間で、今までの20年間をはるかに超えるワインを生み出すだろう。」
「とても、とても長い味わい。これはチリのラ・ミッション・オー・ブリオンだと断言する。驚異的なカベルネ・ソーヴィニヨンのワイン。」
「フル・ボディで、引き締まっていて、直線的。目の詰まったタンニンと軽い噛み応えのある、刺激的なフィニッシュ。はっきりした形と強さを持った赤ワイン。」
「多分、チリが本当に大人になったことを示すサインは、純粋なカベルネのワイン、ヴィニェド・チャドウィック2014年が、このレポートの中で100点満点を獲得したことだろう。このワインには純粋さ、骨格、フィネスを以て、チリワインの偉大性を定義しており、世界最高峰の赤ワインと肩を並べるものだ。エレガンスとパワーを同時に定義づけるワインでもある。フル・ボディだが洗練されていて、優美であり、驚くべき余韻の長さと複雑性がある。その偉大さと美を示す透明感を持っている。エネルギーと鮮やかさがある。チリで初の100点満点のワインで、その評価に値する。」
新しいミレニアムの初期までは、エデュアルド・チャドウィックも他のチリワイン生産者と同様に、自分のワインを世界に販売するための伝統的な手法の殆どを試し尽くしていました。その努力にもかかわらず、チリが世界的高品質ワインを造る高いポテンシャルを持っていることは、理解されずにいました。それは、チリワインが国際市場に出だしてから、まだ歴史が浅かったためでした。エデュアルドには、世界のワイン評論家の関心をつかみ、彼等の目を開かせるための手段が必要でした。
エデュアルドは、フランスで1976年にスティーヴン・スパリュアが開催した、画期的なイベントにインスピレーションを受けました。それは、フランスのトップクラスの批評家を招いて行われた、フランス・ワインとカリフォルニア・ワインのブラインド・テイスティングでした。最終的な結果が発表されると、赤ワインも白ワインもカリフォルニアが1位になったことで、そこにいた人々は全員衝撃を受けました。このイベントはブラインド・テイスティングであったことから、ワインの世界を逆転させた、「パリスの審判」として知られています。これがカリフォルニア・ワインで出来たなら、チリ・ワインでも出来るのではないか?
こうして、彼はベルリン・テイスティングとして知られることになるイベントを企画しました。そして、ヨーロッパの最も影響力のあるワイン・ライター、ソムリエ、主要な評論家を招き、彼自身のワイン、ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ、セーニャ、ヴィニェド・チャドウィックを、世界で最も権威と伝統のあるワインと共にブラインド・テイスティングを行いました。しかも、それらのヨーロッパのワインは、2000年と2001年という最高評価のミレニアム・ヴィンテージから選ばれ、殆どがロバート・パーカーから100点を与えられたワインでした。審査員達はグラスに注がれたそれぞれのワインが何かは知らされず、産地やブランドに関する一切の個人的バイアスが除かれた状態で試飲が行われました。
このイベントは、ワイン界の重鎮がホストを務めました:パリスの審判を主催した人物、スティーヴン・スパリュア。そして、スイスを代表するテイスターとして知られ、ドイツ語圏で最も重要なワイン評論家の一人であるルネ・ガブリエルが加わりました。非常に関心が高く、好奇心と興味を抱いた、そして驚愕することになる参加者達が、ベルリンのリッツ・カールトン・ホテルに集まり、先ずチリ、ボルドー、トスカーナについてのセミナーを受けました。それから、ヨーロッパで最も知識豊富で影響力のあるテイスター36人が、フランス、イタリア、チリからの16のワインを評価するために着席しました。
この歴史的テイスティングの結果は、正に目を開かせるものとなりました:ヴィニェド・チャドウィック2001年がフランスとイタリアの偉大なワインを抑えて1位に選ばれたのです。
この革命的なイベントは、チリワイン産業にとって歴史的記念碑となり、チリのイメージを、世界的高品質ワイン産地にまで高めました。
これはまた、この後エデュアルド・チャドウィックが世界中で行った、22回に及ぶ一連のテイスティングの始まりでもありました。2004年から2013年までに、世界のワイン業界から1,400人以上のオピニオンリーダーが参加し、ヴィニェド・チャドウィックを含むチリワインを、ボルドー、トスカーナ、カリフォルニア、リオハの最高峰のワインと共にブラインド・テイスティングしました。その結果は驚異的なものでした。9割以上の場所で、チリワインが上位3位以内に入り、チリワインが安定して高いレベルの品質を持っていることを示しました。
Ranking | Wine | Vintage | Country |
---|---|---|---|
1 | ヴィニェド・チャドウィック | 2000 | チリ |
2 | セーニャ | 2001 | チリ |
3 | Ch.ラフィット・ロスチャイルド | 2000 | フランス |
4 | Ch.マルゴー | 2001 | フランス |
4 | セーニャ | 2000 | チリ |
6 | ヴィニェド・チャドウィック | 2001 | チリ |
6 | Ch.マルゴー | 2000 | フランス |
6 | Ch.ラトゥール | 2000 | フランス |
9 | ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ | 2001 | チリ |
10 | Ch.ラトゥール | 2001 | フランス |
10 | ソライア | 2000 | イタリア |
1976年、スティーヴン・スパリュア(右側)後に「パリスの審判」として知られるようになるテイスティング・イベントが、ニュー・ワールドのワインに関する世界の見方を変えた。
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